相続税申告の誤りやすい事例

先日、国税庁HPに「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」が公表されていました。

相続税は、ご存知の方も多いと思いますが、今年から課税される範囲が広くなっています。
基礎控除額(この金額までなら相続税がかからないという枠)が縮小されたためです。それに伴って相続税がかかる人の割合が4%から6%くらいまで増えると見込まれています。相続税申告の件数が増えれば誤りも多くなるため、こういった事例が公表されたのかもしれません。

上記の事例集のうち、多く発生しそうなものを一部ご紹介します。

(1)被相続人の兄弟姉妹が相続した場合
相続の制度自体は、子供や配偶者・親など関係が深い人が財産を引き継ぐことを想定しているため、それほど関係が深くないと思わる人については相続税の負担が大きくなります(相続税の2割加算)。この規定は、亡くなった方の弟や妹など兄弟・姉妹についても適用されることになります。感覚的には兄弟なら近しい関係と思いますが規定上はそのようになってます。

(2)所得税の準確定申告書を提出し、還付金を受領している場合
準確定申告書という言葉は聞きなれない方もいるかもしれませんが、こちらは亡くなった方の確定申告書の事です。例えば10月15日に亡くなった場合には、1月1日から10月15日までの税金を払う必要がありますが、その期間で還付金が発生した場合にはその還付金額も相続財産に含めなければいけません。これは還付金額も亡くなった方の財産の一部と考えているためです。

(3)お墓の購入費用に対する借入金
借入金や未払税金などについては基本的に相続財産からマイナスすることが出来ます。ただし、お墓を購入するための借入金については相続財産からマイナスすることが出来なくなっています。理由としてはお墓については相続税の非課税財産になっているので、それに対応する借入金までマイナスすると課税財産が不当に少なくなると考えているのだと思います。